妄想の産物。さて、本題。イレギュラーに暴走してしまったこの心拍数のままで走り続けます今日は。…あれ、本日日記3つ目ですかもしかして?本来の日記の意味を果たしているのは二つ目だけなので、まあ。平日出没が怪しいので今の内に更新しておいた方が吉と囁く声がどこからか。多分幻聴。えーと、取り敢えず言いたいのは蓉子に萌えたということです。一言でいうならそれだけ。ただどうしてかその副産物としてSSが誕生してしまったので人目に晒してみようか、と。某方のイラストより。これを書くにあたっての言い訳なんぞも長々と書いていたのですがそちらは明日くらいに。元の曲を視聴してみたら全然被っていませんでした…orzご迷惑でしたら即刻削除いたしますなにとぞ御容赦ください。続きを読むおめでとう。その言葉に、嘘は無かった。カランと小さな音を立てて開けた店内は鮮やかな色合いと芳香に満たされ、それから少しだけ夏の香りがした。春の花から既に漂ってくるそれに、私は無性に嬉しくなってしまって目を細める。人間が勝手に切り取ったのに、それでも季節を巡らせようとしている健気さ。それをささやかに主張しながら綺麗に並べられている。並んで、いる。ベゴニア、カーネーション、チューリップ。取り敢えず一つ一つ見て回ることに決めた。細い通路を順番に辿っていく。水滴に濡れたバケツを倒さないように、そっと。スニーカーで来れば良かったかしら、でもやっぱり似合わないわよね。花屋に格別な格好をしてくる必要は当然、無いのだけれど。この足で直接彼女の所に向かおうかと考えあぐね、結局どっちつかずの装いになってしまった。目の前でかすみ草が揺れて、幼い頃に足を踏み入れた病室を何故だか思い出す。静かな日向で、白が反射していてまるで廃墟のようだ(無論当時廃墟という言葉で表現した訳では無いだろうが)、と感じたあの病室を。縁起でも無い。けれど、この店にやって来る人の何割かはそんな目的なのだ。彼らはかすみ草を買い求めるのだろうか。値札に書かれた花言葉を流し読みして、横をすり抜けた。緑色の葉に導かれてゆっくり角を曲がる。不意に目に飛び込んで来た乳白色。背の低い観葉植物と橙色の花に挟まれた、空間にそれはあった。どうして今まで気がつかなかったのだろう。そう思える程、私にはその花が他のものとは一線を画しているように見えた。そっと近付く。まるでそうしなければそれが消えていってしまうかのように。私にはもう他には目に入らないというのに、それは余りにも儚くて現実のものでは無いと言われても納得が出来そうだった。触れた瑞々しさはちゃんと生きた植物のもので、やっとほ、と息を吐く。吐息で震えるように揺れる様子に誘われたように思えて、笑みが雫れた。お決まりになりました?可愛らしい声。振り向いた先の笑顔に私も答える。勿論肯定。ええ、花束にしてくれる?そうね、このまま彼女の所へ向かうことにしましょう。僅かに湿っているブーツも歩きながらで乾くでしょうし。何より今の気持ちのままで貴女に会いたい。ワンクッション置くなんて、野暮なことせずに。薄水色の包装もばっちり。お金とお礼を残して私はもう一度ドアを開ける。ふわりと香る春と夏、それから微量に貴女の気配。浮足立つ気持ちを抑えて前を向くと、一瞬貴女が微笑った気がした。おめでとう。今ならきっと笑って言えるわ。畳むhttps://hudepen.hatenablog.jp/entry/2006...コメいただいたりしましたが割愛。updated:2023/07/12 #SSS #同人 #マリア様がみてる #聖蓉 #佐藤聖 #水野蓉子 妄想走り書き(過去ログ) 2006/04/23(Sun) 20:37:26
さて、本題。イレギュラーに暴走してしまったこの心拍数のままで走り続けます今日は。…あれ、本日日記3つ目ですかもしかして?本来の日記の意味を果たしているのは二つ目だけなので、まあ。平日出没が怪しいので今の内に更新しておいた方が吉と囁く声がどこからか。多分幻聴。
えーと、取り敢えず言いたいのは蓉子に萌えたということです。一言でいうならそれだけ。ただどうしてかその副産物としてSSが誕生してしまったので人目に晒してみようか、と。某方のイラストより。これを書くにあたっての言い訳なんぞも長々と書いていたのですがそちらは明日くらいに。元の曲を視聴してみたら全然被っていませんでした…orzご迷惑でしたら即刻削除いたしますなにとぞ御容赦ください。
おめでとう。
その言葉に、嘘は無かった。
カランと小さな音を立てて開けた店内は鮮やかな色合いと芳香に満たされ、それから少しだけ夏の香りがした。春の花から既に漂ってくるそれに、私は無性に嬉しくなってしまって目を細める。人間が勝手に切り取ったのに、それでも季節を巡らせようとしている健気さ。それをささやかに主張しながら綺麗に並べられている。並んで、いる。
ベゴニア、カーネーション、チューリップ。
取り敢えず一つ一つ見て回ることに決めた。細い通路を順番に辿っていく。水滴に濡れたバケツを倒さないように、そっと。スニーカーで来れば良かったかしら、でもやっぱり似合わないわよね。花屋に格別な格好をしてくる必要は当然、無いのだけれど。この足で直接彼女の所に向かおうかと考えあぐね、結局どっちつかずの装いになってしまった。目の前でかすみ草が揺れて、幼い頃に足を踏み入れた病室を何故だか思い出す。静かな日向で、白が反射していてまるで廃墟のようだ(無論当時廃墟という言葉で表現した訳では無いだろうが)、と感じたあの病室を。
縁起でも無い。けれど、この店にやって来る人の何割かはそんな目的なのだ。彼らはかすみ草を買い求めるのだろうか。値札に書かれた花言葉を流し読みして、横をすり抜けた。
緑色の葉に導かれてゆっくり角を曲がる。不意に目に飛び込んで来た乳白色。背の低い観葉植物と橙色の花に挟まれた、空間にそれはあった。どうして今まで気がつかなかったのだろう。そう思える程、私にはその花が他のものとは一線を画しているように見えた。
そっと近付く。まるでそうしなければそれが消えていってしまうかのように。私にはもう他には目に入らないというのに、それは余りにも儚くて現実のものでは無いと言われても納得が出来そうだった。触れた瑞々しさはちゃんと生きた植物のもので、やっとほ、と息を吐く。吐息で震えるように揺れる様子に誘われたように思えて、笑みが雫れた。
お決まりになりました?
可愛らしい声。振り向いた先の笑顔に私も答える。勿論肯定。ええ、花束にしてくれる?
そうね、このまま彼女の所へ向かうことにしましょう。僅かに湿っているブーツも歩きながらで乾くでしょうし。何より今の気持ちのままで貴女に会いたい。ワンクッション置くなんて、野暮なことせずに。
薄水色の包装もばっちり。お金とお礼を残して私はもう一度ドアを開ける。ふわりと香る春と夏、それから微量に貴女の気配。浮足立つ気持ちを抑えて前を向くと、一瞬貴女が微笑った気がした。
おめでとう。
今ならきっと笑って言えるわ。
畳む
https://hudepen.hatenablog.jp/entry/2006...
コメいただいたりしましたが割愛。
updated:2023/07/12 #SSS #同人 #マリア様がみてる #聖蓉 #佐藤聖 #水野蓉子